現役公務員の私が辞めたいと思った理由のひとつである
【やりがいの感じにくさ】について書いていきたいと思います
目次
- 公務員がやりがいを感じにくい理由
- 理由①感謝されることは少ない
- 理由②誰でもできる仕事
- 理由③努力に見合った評価がない
- まとめ
理由①感謝されることは少ない
私が公務員を目指していた頃、公務員は市民の皆さんのために働いて
たくさんの人に感謝してもらえて、素敵な仕事だろうなと思っていました。
派手な仕事ではないけど、いつも笑顔で市民の皆さんの生活を支えている縁の下の力持ちのような存在だと思っていました。
縁の下の力持ちという感覚は公務員になった今でも変わらないですが
大きく違うのは「たくさんの人に感謝してもらえて」というところです。
実際に公務員になってみると、感謝される機会はほとんどなくて
いただく言葉のほとんどが行政へのご意見です。
市政の内容に不満があるとか、届いた書類の文字が小さくて読めないといったことまで本当にいろいろなご意見をいただきます。
文字サイズを変えるとか読みやすい文章に変えるとかは公務員としては対応すべき部分ですので、そういった改善案についてはありがたく頂戴しています。
ただ、私たち職員ではどうにもならないことを言われるのはなかなか厳しいですね。
人って良いことはわざわざ相手に伝えないけど、悪いところはすぐに伝えようとするのではないかなと思います。
今、皆さんの家の蛇口をひねれば水が出ると思いますが、わざわざ市役所の水道課に電話して「今日もお水が出ています。ありがとう!」なんて言います?言わないですよね。
公務員は生活を支える基盤の仕事が多いから、蛇口をひねったら水が出ること、安全に道路が舗装されていること、必要書類の申請ができることが当然だという認識の方が普通だと思います。
私も公務員になる前はそれが当たり前だと思っていました。
けど職員になったから見えた世界がありまして。
各部署の職員は必死になってその「当たり前」を崩さないように業務をしています。
その「当たり前」が決して簡単に「当たり前」にできる訳ではないことをもっと市民の方に知ってほしいというのが私の願いですが、
そんなことをこのブログで書いてもしょうがないのでここら辺でやめておきます。
つまるところ言いたいのは公務員の仕事は「やって当然」と思われているのでなかなか感謝されにくいということです。
そのためやりがいは感じにくいかなと思います。
公務員も人間なので、「ありがとう」の言葉をもっといただければ、やりがいを感じられるかもしれないのになぁと思うところです。
理由②誰でもできる仕事
これは行政をしていく上で良い点でもあるのですが、公務員の仕事は究極のところ「誰でもできる仕事」です。
一部、資格がなければできない仕事もありますが、それはその資格を持っている人であれば誰でも良くて「その人でなければできない仕事」ではないのです。
公務員の仕事は全て、止める事ができません。
明日から1ヶ月間、市役所お休みしますとか、夏休みでもないのに学校閉鎖しますとか、消防署もお休みしますとか、ありえないですよね?
それをするとライフラインが止まって生活が破綻することが目に見えているからです。
だからそれを防ぐために、誰でも仕事ができるように組織は構成されています。
それが意味するのは、私たち職員というのは組織におけるほんの1コマに過ぎないということです。
たった一人の職員がいなくなったとしても組織は回ります。誰かが代わりにやってくれます。
私らしさが出せるとか、私だからできるという仕事はほとんどないんです。
そんな組織の中で、仕事にやりがいを見つけることはとても難しいなと感じます。
理由③努力に見合った評価がない
うちの市役所では普段の業務内容について、人事評価の中で上司にS~Dの評価をつけてもらいます。
この結果に伴い、勤勉手当(いわゆるボーナス)の額が変わります。
私事で恐縮ですが、先日の6月の勤勉手当ではA評価をいただけましたので
少しプラスの手当をいただけていました。
その金額はズバリ「約2,000円」
・・・・・・・・・・・どう思いますか?
評価してもらえたのは嬉しい。
頑張りを認めてもらえたのは嬉しい。
けど・・・・・これだけ?
私、みんなのために一生懸命マニュアルを作りましたよ?
仕事の合間をぬって、累計30時間くらい使いましたよ?
なのに約2,000円?・・・・
なんでしょう。この報われない気持ちは。
お金が全てではないし、皆からの感謝の気持ちは嬉しいのだけど。
努力が見合わないというのはこういうことなのかなぁと思います。
だから今まで誰もマニュアル作らなかったんだと思います。
最初からわかっていましたけど、A評価でこれならS評価でも想像はつきますよね。
自分の担当業務以上のことをやろうとしない職員が多いのは
こういった評価システムが充実していないのも理由かと思います。
みんな同列、年功序列の世界ですからね。
まとめ
- 感謝されることは少ない
- 誰でもできる仕事
- 努力に見合った評価がない
公務員の仕事でやりがいを感じにくい理由3点について紹介しました
前述したとおり公務員の仕事でやりがいを求めるのは難しいと感じます。
仕事は日々の生活の中で多くの時間を占めます。
その仕事に「やりがい」を感じなかったら、人生もったいなくないですか?
せっかくなら、頑張って良かったと心から思える仕事をしてみたいと思いませんか?
私は「目の前の人を笑顔にしたい」という夢があります。
そのためにはまずは自分も笑顔でいられる状態にならなくてはと思うのです。
やりがいを感じられる仕事ができたら、きっと毎日楽しいですよね。
もっと充実した生活になるのではないのかなと思います。
努力した分がきちんと返ってくる環境に身を置くことはとても大事なことかもしれません。
だから私は公務員をやめて環境を変える事を決意しました。
独立してどう環境が変わっていくか、退職後もブログを書き続けていきたいと思います。